栄養価計算の基礎|慢性腎臓病食事療法に必須の計算をわかりやすく解説!

栄養価計算の基礎|慢性腎臓病食事療法に必須の計算をわかりやすく解説!
栄養価計算の基礎|慢性腎臓病食事療法に必須の計算をわかりやすく解説!

「栄養価計算(栄養計算)」は、主に管理栄養士や栄養士が、食事の管理・指導や献立作成などの際に使います。医療や介護、スポーツなどの仕事には必須の知識です。

それ以外にも、腎臓病の食事療法や減塩食などを行っている方が、毎日の食事の栄養価を正確に知っておきたいときに必要です。

今回の記事では、「栄養価計算はまったくの初めて」という方でもスムーズに理解できるように、4つのステップに分けて解説します。

例えば、栄養価の計算そのものはPCやアプリなどでできるのですが、「日本食品標準成分表(食品成分表)」のあたりが少しわかりにくいので、ゆっくり読み返して参考にしていただけると幸いです。

腎臓病食や減塩のメニュー作りに!栄養価計算の3ステップ

栄養価計算は、下記の3ステップで行います。

(1)料理に使用するすべての食材の可食部重量(g)を出す。
(2)食品成分表から該当する食品を選ぶ。
(3)食品成分表の成分値を使って、栄養価を計算する。

ここでは、各ステップのポイントや注意点について解説します。

ステップ【1】栄養価計算に必要な道具5つ

・料理に使う食材(調味料も含む)
・はかり、計量スプーン
・メモする道具
・電卓
・日本食品標準成分表 (食品成分表)八訂

食品成分表は、2023年現在は八訂が最新です。できるだけ最新のものを使うようにしましょう。

ステップ【2】食材を量る

食材を量る
次に、計算したい料理について、1人前の食材料の重さを量ります。

(1)可食部重量のみを量るので、まずは食材の皮や骨などの廃棄部分を取り除きます。
(2)肉や野菜だけではなく、調味料や炒め油などもすべて量ります。
(3)1人前ずつの重さが量れない食材の場合は、全体の重さを量って下さい。それを食べる人数で割り、1人前当たりの重量を出します。
(4)量った重さは計算式で使うので、メモしておきましょう。

ステップ【3】食品成分表とは?

食材を量り終えたら、実際に「日本食品標準成分表(食品成分表)」を使い、料理に使用する食材を選び出します。

食品成分表とは、普段私たちが食べている食品の可食部100g当たりの栄養素について、文部科学省が公表しているものです。たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギーなど、様々な数値が掲載されています。

インターネット上にあるデータベースは誰でも無料で使用できます。

参考:食品成分データベース(文部科学省)

ステップ【4】食品成分表から食品を選ぶ

食品成分表から食品を選ぶという作業は、慣れないうちは少し注意が必要なステップです。悩んでしまいやすい点は、主に2つです。

一つは、食品成分表はかなり細かく食品を分類して掲載してあるため、誤った食品を選んでしまいやすいことです。特に、米と牛は種類が多いので注意しましょう。

例えば、「めし」「全がゆ」「五分がゆ」「おもゆ」は、いずれも米を原材料としていますが、食品成分表ではそれぞれ異なった分類になります。計算結果が変わってしまうので、気をつけて下さい。

もう一つは、「食品成分表の記載名」と「商品名」が異なっているため、食品名をなかなか見つけられないことです。

例えば、寿司ネタの青柳(あおやぎ)は、一般的な商品名は「あおやぎ」ですが、食品成分表の記載名は「ばかがい」です。

それ以外にも、新しい野菜はまだ載っていない場合があるので、健康福祉センター(保健所)へ相談してみて下さい。

ステップ【5】栄養価計算の計算式

ステップ【4】で選んだ食品の成分値を用いて、食品ごとの重量当たりの栄養価を計算していきます。

〈計算式〉
使用する重量(可食部)×食品成分表に記載されている100g当たりの栄養価(g)÷100(g)

この食品成分表を使って、料理の可食部に含まれる塩分も計算できます。

例えば、可食部80gの塩鮭で見てみましょう。

食品成分表の「しろさけ【塩ざけ】」は、100g当たりの食塩相当量が1.8gなので、計算式は下記のようになります。

80g×1.8g÷100g=約1.4g

腎臓病食や健康食などで毎日の塩分やたんぱく質などを正確にチェックしたい方は、ぜひ使ってみて下さい。

日本食品標準成分表(食品成分表)の選び方

栄養価計算に使う食品成分表は、できるだけ最新版を使用しましょう。2023年現在は「2020年版(八訂)」が最新です。

ですが、ここで注意してほしい気をつけてほしいポイントは「七訂と八訂の値を混在させないこと」です。

七訂と八訂は、エネルギー値を算出するための計算式が変わっています。そのため、同じ食品のエネルギーでも数値が異なるので、これらを混在させてしまうと正確な値になりません。

計算する際には、食品成分表の値を八訂に揃えるようにしましょう。

ネット上の栄養価自動計算もおすすめ

インターネットやスマホのアプリには、自動で栄養価を計算してくれる無料ソフトがたくさんあります。計算の仕組みを覚えたら、時短のためにそれらを利用するのもおすすめです。

栄養価がすべて調整されたおすすめ弁当3選

腎臓病食や減塩食の献立を毎回丁寧に作り込むのはとても手間がかかるものですよね。

ここでは、たんぱく質や塩分などの栄養素を控えつつ、味にはこだわったおすすめセットを紹介します。

みしまの御膳ほのか 人気セット(14食)


温めるだけで美味しくお召し上がりいただける便利な冷凍弁当『みしまの御膳ほのか』シリーズの14種類をセットしました。たんぱく質、塩分、リン、カリウムなど気になる栄養価を控えながらも味・見た目のおいしさにとことんこだわったビースタイルのオリジナル商品です。便利な2週間分♪14種類(各1個)/計14個のセットとなります。

〈セット内容〉各1個ずつ
牛すき焼き風
とんかつ
鶏のから揚げ
デミグラスハンバーグ
豚の生姜焼き
麻婆豆腐
カニクリームコロッケ
ミックスフライ
白身魚の甘酢煮
カレイのマヨ七味焼き
鮭グラタン
メンチカツ
親子煮
ビーフシチュー

それ以外にも、副菜がそれぞれ4種類がワントレーに入っています。

【購入者様の声】
腎臓の悪い母を心配するあまり、母が楽しみに買ってくるものを取り上げて来ました。でも、みしまの御膳を買ってから私も安心しています。今回の血液検査でもたんぱく質量が減ったと言われました。種類も多いし、何よりも全く食べられないと思っていた肉や魚も結構入っているので、病人食のイメージがないのが良いと思います。

【冷凍】いきいき御膳 ビースタイルおすすめセット(6個入)低たんぱく食品


「いきいき御膳 ビースタイルおすすめセット」は、低たんぱく・減塩で人気のいきいき御膳シリーズから、栄養士が選んだおすすめの弁当を詰め合わせました。

〈セット内容〉各1個ずつ
豚の生姜焼き
ミニお好み焼き
ハンバーグ
さばの竜田揚げ
肉豆腐
がんもと大根の含め煮

副菜も4種類ワントレーに入っており、満足度が高い弁当です。

一度の注文で6個というちょうどよい数が届くので、初めて腎臓病食を注文する方や、普通の腎臓病食に飽きてきた方に、特におすすめです。

いそいち丼 鶏煮込み丼 340g

たんぱく質調整米のごはんと塩分に配慮した具材です。3種類の丼がございます。ごはんと具材が一度にレンジにかけられて、手軽に1食分の食事が出来上がります。

【購入者様の声】
素晴らしい商品です。特に下記の点で。
・¥690でご飯も付いていること。
・コンビニの丼と全く同じで、電子レンジをするだけの手軽さ。
・美味しい。薄めの味付けが、塩分制限のある患者には安心を与える。

まとめ:食事療法の第一歩は「食品成分表の見方」を知ること

今回の「栄養価計算」は、腎臓病の食事療法を行っている方や、健康食を心がけている方などに関係したテーマです。

ですが、わざわざ毎回可食部を量るのはあまり現実的ではないので、食品成分表の読み方・調べ方や計算式をしっかり押さえておけば大丈夫です。

また、インターネットやスマホのアプリには、最新版である八訂のデータベースを使った栄養価の自動計算ソフトなどもあるので、ぜひ活用して下さい。

いくら料理が得意な方でも、毎日腎臓病食を完璧に作り続けるのは難しいものです。

市販品の腎臓病食には、たんぱく質・塩分・カリウム・リンをすべて調整した弁当も数多く販売されています。それらもうまく取り入れ、時には肩の力を抜きながら食事療法を続けていきましょう。

低たんぱく食品・腎臓病食の商品はこちら

腎臓病食・低たんぱく食品カテゴリの最新記事