慢性腎臓病と水分|1日の目安や水分摂取のポイント4つを解説

慢性腎臓病と水分|1日の目安や水分摂取のポイント4つを解説
慢性腎臓病と水分|1日の目安や水分摂取のポイント4つを解説

春の陽気が感じられるようになり、これまでよりもさらに毎日の水分補給が大切な季節になりました。人間の体の約60%は水分でできていると言われているとおり、健康を維持するためになくてはならない存在です。

 

ですが、慢性腎臓病の方の場合、具体的にどの程度の量を心がければよいのか気になる方も多いのではないでしょうか。

 

今回の記事では、「腎臓病と水分」をテーマにしています。

腎臓と水分の関係、ステージごとの摂取量の目安、腎臓病食に適した飲料などについて幅広く解説します。また、記事の最後には腎臓病の方におすすめの飲料も紹介しているので、ぜひ参考にして下さいね。

 

 

最初に知ろう!腎臓と水分の関係とは

 

最初に、腎臓の主な働きと水分がどのように関係しているかを解説します。正しい水分補給のためにも、ぜひ押さえておきましょう。

 

腎臓の働きは「水分バランスを整えること」

 

腎臓の主な働きは、体内の水分バランスを一定に整えることです。

腎臓には、体の中に溜まった老廃物を、尿と一緒に体外へ排出する働きがあります。そして、必要なものだけを体の中に残してくれることで、体内が正常に保たれるのです。

 

水分が足りないと腎臓はどうなる?

 

腎臓病の方が脱水症状を起こすと、腎機能に負担がかかり、症状が進行してしまいます。そのため、適度な水分補給は必要です。

また、腎機能が低下すると尿毒素を排出しにくくなるため、人によっては水分摂取量が増えることもあります。

腎機能のどこに症状があるかによって目安量は異なるので、注意しましょう。

 

腎臓病の方の水分補給 1日の目安は?

 

腎臓病の方の、1日当たりの水分補給の目安を紹介します。

ですが、水分の適量は個人差が大きいので、具体的な量については必ず主治医に確認するようにして下さい。

 

(1)排泄障害がない方の摂取量の目安

 

脱水は、腎機能を低下させてしまう大きな原因の一つです。

また、腎機能が弱まると、尿を濃縮して排泄する働きも低下するので、基本的には以前よりも多く水分を摂ることが一般的です。

目安量は「尿量が1,500~2,000mlになる」程度です。

 

「水分をたくさん摂れば腎臓が回復する」と考える患者さんもいらっしゃいますが、適量を超えた過剰摂取はガイドラインでも勧められていません。

 

(2)排泄障害がある方の摂取量の目安

 

腎機能障害が進行して血液透析療法が必要な方の場合は、「水分制限」が必要になります。体内に溜まった過剰な水分を血液透析で除去するので、あらかじめ摂取量そのものを減らします。

その場合の水分摂取量は、様々なデータや検査などによって、主治医が判断します。

 

慢性腎臓病の方の水分補給 大切なポイント4つとは

 

ここでは、慢性腎臓病の方の水分補給の際に「特に気をつけてほしい注意点」を4つ解説します。

 

(1)適量は主治医に確認

 

腎臓病は、ステージごとにある程度水分の適量が決まっています。ですが、それらはあくまでも一般的な情報にすぎません。

食品同様、水分の摂取量も人によって大きく異なります。ご自分やご家族の適量は、必ず主治医に相談しましょう。

 

(2)腎臓病の方におすすめの飲料は?


腎臓病の方に比較的おすすめのお茶は、麦茶、ほうじ茶、玄米茶などです。たんぱく質・カリウム・リンが控えめなので、お茶を飲むならこれらがよいでしょう。

逆に、玉露や抹茶、ココア、豆乳などはカリウムが多いので注意しましょう。

 

コーヒーと紅茶では、どちらかというと紅茶のほうがおすすめです。

 

野菜ジュースやフルーツジュースはビタミン類が豊富ですが、カリウムも非常に多いので注意して下さい。果汁100%ではなく、腎臓病食用の商品がおすすめです。

 

ですが、どれも商品によって各栄養素の含有量が異なるので、購入前には必ず成分表をチェックしましょう。

 

(3)スポーツドリンクはNG!

 

暑い季節の水分補給といえば、スポーツドリンクが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

ですが、スポーツドリンクはどんなに薄味なものでも塩分濃度が0.1~0.2%ほどあります。そのため、腎臓病の方が摂取する場合は、主治医に相談することをおすすめします。

 

また、もう一つ気をつけていただきたいものに、糖分があります。500mlに約20~30g含んでいるため、糖尿病もお持ちの方は要注意です。

 

水分は、スポーツドリンク以外からでもきちんと摂れます。水や麦茶など、お体に負担のかからない飲料から補給するようにしましょう。

 

(4)塩分やカリウム控えめな腎臓病食用のドリンクがおすすめ

 

新しい飲料を手に取るたびに毎回成分表を細かくチェックするのは、とても大変ですよね。

そういう方には、腎臓病の食事療法用に販売されているドリンクがおすすめです。たんぱく質などの4栄養素を控えてあるので、安心してご利用いただけます。

 

また、商品によっては食物繊維やビタミンなどを補っているものも多いので、ご自分のお体の状態に合わせて選ぶことができます。

 

毎日の食事やおやつに!慢性腎臓病の方の水分補給におすすめ3選

 

毎日のデザートやおやつで手軽に摂りやすい、腎臓病食用の市販品を紹介します。食物繊維やビタミンなど、腎臓病の食事療法で不足しやすい栄養素を含むものがおすすめです。

 

レナジーbit(ビット) コーヒー風味 125ml×24本

「レナジーbit(ビット)」は、1本(125ml)当たりのたんぱく質を0.9g、ナトリウム45mg、リン5~15mg、カリウム0~10mgにまでしっかり控えながらも、エネルギーを150kcal、亜鉛を3.0mg摂取できる栄養機能食品です。

それ以外にも、腎臓病の食事療法で不足しやすい食物繊維4.0g、ラクチュロース1.0g、ラフィノース1.0g、EPA90mg、DHA40mgなど、お体の調子を整える栄養素を豊富に含んでいます。

 

同シリーズには、このほかに乳酸菌飲料風味もあります。風味が異なるので、その日の気分で選ぶのもおすすめです。

 

低リン乳 125ml×24本

低リン乳は、リンやカリウムの摂取量が気になり、今まで牛乳をあまり飲めなかった方へ向けた美味しい乳飲料です。常温保存可能な125ml飲みきりサイズでご用意。
牛乳のおいしさはそのままに、普通の牛乳の約80%のカルシウムを保持しながら、リンを50%カット、カリウムを25%カットしてあります。

【購入者様の声】

他社に比べて一番低価格で賞味期限が長く1ヶ月半以上あります。
腎臓ステージ5Gで入院中に大学病院でも毎日1本出てました。
常温保存ですが冷蔵庫で冷やすと美味しいです。

 

リーナレンLP コーヒーフレーバー 125ml×24本

たんぱく質が1g/100kcal。
水分制限のある方でも少量で高エネルギー摂取が可能で、糖質の吸収速度が緩やかな流動食です。使いやすい紙パックタイプ。
高エネルギー設計(1.6kcal/ml)、糖質の吸収速度に配慮した独自の糖質組成LoGIC、n-3系脂肪酸・MCT・脂質代謝に関わるカルニチン配合

【購入者様の声】
父の為に購入。腎臓が悪いと分かってから10年、食事制限の為、体重が20キロ以上減りました。食欲が無い時など体力が落ちる心配があるので、この商品を利用させて頂いております。父は美味しいと言って飲んでいます。

まとめ:慢性腎臓病の水分補給はご自分のお体に合った量を

 

慢性腎臓病の水分補給は、「適量」であることが最も大切です。

脱水は腎機能を低下させる原因の一つなので、しっかり水分を摂ることで防ぎましょう。

ですが、水分を摂りすぎると低ナトリウム血症などが発症することもあります。過剰摂取はガイドラインでも勧められていないので、注意して下さい。

 

また、腎機能の状態によって、水分を多めに摂る必要がある場合と、制限が必要な場合に分かれます。健康のために行っていたことが腎臓に大きな負担をかけていることもあるので、必ず主治医に相談しましょう。

 

適切な水分量やおすすめの飲料についても、ぜひ相談してみて下さい。

4栄養素を控えた美味しい腎臓病食用のドリンクも数多く販売されているので、これからの季節はそれらで上手に乗り切りましょう。

腎臓病食の商品一覧はこちら

 

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