腎臓病とお茶|注目の「ほうじ茶」の効果効能、注意点などを解説

腎臓病とお茶|注目の「ほうじ茶」の効果効能、注意点などを解説
腎臓病とお茶|注目の「ほうじ茶」の効果効能、注意点などを解説

慢性腎臓病(CKD)に限ったことではありませんが、どの病気にも必ず「この食品が効く!」という情報があり、インターネットやテレビなどで大きく紹介されています。

確かに、簡単に手に入る食品で病気が良くなればそれに越したことはありませんが、本当に大丈夫なのかどうか気になります。

 

そこで今回の記事では、腎臓病に効果的と言われている「ほうじ茶」の効果効能について紹介します。

最初に、ほうじ茶は効果があるのかどうかといった結論から解説し、続いて、ほうじ茶の特長と注意点、腎臓病の方に負担が少ないお茶の種類を紹介していきます。

「腎臓病と診断されてもお茶は飲みたい」という方に、ぜひ読んでいただけると幸いです。

 

 

腎臓病にほうじ茶が効くというのは嘘?本当?

 

最近、「ほうじ茶が腎臓病に効く!」とよく騒がれるようになりましたが、結論から申し上げて、ほうじ茶によって腎臓病が良くなることはありません。過去の臨床研究でも、ほうじ茶が腎臓に効いたというデータは発表されていないのです。

そのため、主治医から特にカリウム制限の指示を受けていない場合は、ほうじ茶だけを飲み続ける必要はありません。

 

ですが、ほうじ茶は腎臓にかかる負担が他のお茶よりも少ないため、腎臓病の方でも比較的安心して飲むことができます。

 

腎臓病とほうじ茶について

 

ここでは、ほうじ茶の特長や注意点について解説します。

 

最初に知ろう!ほうじ茶はどんなお茶?

 

ほうじ茶は、緑茶を強火で焙じたお茶のことです。煮出すと赤茶色になるため、麦茶の仲間のように思えますが、実は緑茶の一種なのです。

 

ですが、一般的な緑茶とはかなり栄養素が異なっており、苦味・渋味成分であるタンニンやカフェイン、アミノ酸類などは少なめです。

その代わりに、ほうじ茶特有のコクや甘みを味わえるテアニンや、脳をリラックスさせる働きのあるピラジンがとても豊富です。

テアニンにはリラックス作用やストレスの緩和などの効果があるほか、血行改善や更年期障害への効果も期待されています。

 

ほうじ茶の特長(1)カリウム・リンが少ない

 

ほうじ茶は他のお茶に比べてカリウムやリンが少ないため、カリウム制限を行っている方でも比較的飲みやすいでしょう。

「カリウム制限を行っていてもお茶は飲みたい」という方には、ほうじ茶がおすすめです。

 

ほうじ茶の特長(2)カフェインが少なめ

 

ほうじ茶は、加熱によってカフェインやタンニンが減るため、あまり渋みが得意ではない方でも飲みやすいお茶です。

ですが、確かに玉露やコーヒーに比べると少ないものの、ゼロではありません。カフェインが摂れない方は注意しましょう。

 

ほうじ茶の注意点(1)腎臓が良くなるわけではない

 

ほうじ茶に限ったことではありませんが、腎臓病には「摂ることで良くなる食べ物」は今のところ発表されていません。

腎臓病の食事療法では、塩分やたんぱく質などが少なく、腎臓の負担を和らげる食事をバランスよく摂ることが大切なのです。

 

ほうじ茶の注意点(2)栄養素は製品によって異なる

 

ほうじ茶は、お茶の中ではカリウムやリンが少なく、腎臓への負担は少ないほうです。ですが、製品によってそれらの量は異なるので、購入する際には必ず成分表をチェックしましょう。

 

一般的には、茶葉から淹れたお茶よりも、市販のペットボトル飲料のほうがカリウムの量は控えめです。

 

腎臓病の方におすすめのお茶の種類は?

>腎臓病の方におすすめのお茶
カリウム制限の指示が出ていても、「お茶を飲みたい」という方は大勢いらっしゃいます。日本茶が暮らしの中に深く馴染んでいる証です。

 

ここでは、腎臓病でも比較的安心して飲めるお茶について紹介します。その理由や注意点などについても解説しているので、ぜひ参考にして下さい。

 

腎臓に負担が少ないのは「麦茶」と「玄米茶」

 

カリウムが比較的少ないお茶は、ほうじ茶、麦茶、玄米茶、そして烏龍茶です。

カリウム制限の指示が出ている方はまた別ですが、そうでない方はこの4種類から選ぶことをおすすめします。

 

参考:食品成分データベース(文部科学省)

 

腎臓病で気をつけるお茶は「玉露」と「抹茶」

 

カリウムを多く含んでいるお茶は、玉露と抹茶です。

特に玉露は非常に高いため、飲む量には気をつけて下さい。抹茶は、飲み物だけでなく、スイーツになっていても含まれているので注意しましょう。

 

もしも食べ物に気をつけているのに、まだカリウム値が高いという方は、玉露や抹茶、青汁などで知らず知らず摂っている場合があります。

 

カリウムは、茶葉から淹れたお茶よりもペットボトル製品のほうが少なめです。

ですが、ペットボトルには添加物としてリン(無機リン)が含まれていることが多いので、一概に「こちらのほうがいい」とは言えません。

無機リンは表示義務がなく、どの程度含まれているかわからないため、注意が必要です。

 

「腎臓病に効く」悪徳業者に要注意!

 

食事療法のストレスやつらい症状など、腎臓病の方の心理につけ込み、高額な食品を売りつけようとする悪徳業者が数多くいます。

「これを飲み続ければ腎臓病が治る」と言って近づいてくるので、要注意です。

 

このような食品は効果がないだけではなく、悪化する危険性のほうが大きいものばかりです。

絶対にその場で購入したり、主治医に相談せずに使用したりするのはやめましょう。もしも関心がある場合は、必ず主治医に確認して下さい。

 

まとめ:「腎臓病に効く食品」試す前に必ず主治医に相談を!

 

「腎臓病の食事療法」と一口に言っても、その内容はステージやアレルギー、持病などによって様々です。

「たんぱく質やカリウムなどの4栄養素も人によって適量が違う」ということを知っておいて下さい。

 

そのため、どんな腎臓病の方にも効果を発揮するような食べ物も、今のところありません。

特にインターネットやテレビなどで注目を集めている食品の大半は効果がないか、もしくは危険だと言われています。

日頃の食事に取り入れたい食品を見つけたら、必ず主治医に相談して下さい。問題がないようであれば、適量もしっかり把握した上で取り入れましょう。

 

そういった一つ一つの行動が、最も腎臓病の進行を抑えることにつながります。腎臓と食事の関わりをよく知り、大切な腎臓を保護していきましょう。

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