【介護食のメニュー】管理栄養士が考えた1日分の献立を公開

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【介護食のメニュー】管理栄養士が考えた1日分の献立を公開

介護食の献立を立てるポイント

介護食ってなんだか難しそう…そんなイメージをお持ちの方も多いかと思います。
特別な調理器具で特別なものを1人分だけ作るのはとっても手間のかかることです。日々の食事作りにひと手間工夫したようなお手軽さで介護食の献立を立てていけるよう食材選びや調理法、献立などをご紹介していきます。

 

 

①食べやすい食材を選ぶ

介護食が必要な方は歯が無くて噛みにくかったり、飲み込みにくかったりする場合がほとんどです。繊維が少なく、つぶしやすい食材を選ぶようにしましょう。
種や皮を取るだけでもかなり食べやすくなります。

例)葉物の葉先、かぼちゃ、いも、種を取り湯剥きしたトマト、豆腐、ひき肉、ささみ、白身の魚、ねぎとろ、たまご(固茹で卵以外)、ゼリー、プリンなど

②食べやすい調理法を選ぶ

介護食では食べやすいよう調理法にも工夫しましょう。
生のサラダではどうしても固くて水分が少なく食べづらいです。
しっかり火を通して柔らかくするようにしましょう。あんをかけてあげると喉の通過がしやすくなり飲み込みやすくなります。

例)小さめに切る、野菜の繊維を断つように切る、刻み過ぎない(嚥下障害がある場合は口の中でばらけて危険な場合もあります)、つぶす、ペーストにする、あんをかけるなど

③たんぱく質をしっかり摂ろう

食事摂取量が少なくなってくると痩せる原因となってしまいます。
人間の筋肉、骨、内臓などのあらゆるものはたんぱく質からできていますので、
たんぱく質の摂取量が減ってしまうと低栄養が進行するリスクが高いです。
一度痩せてしまった身体を元に戻すことはとても大変なので、日々の中でしっかりたんぱく質を摂るようにしましょう。

④少量で効率よく栄養が摂れる工夫

介護食を必要とする方は沢山の量を食べることが出来ません。
効率良く栄養摂取出来るよう少量でハイカロリーな献立にしましょう。
乳製品、卵、肉、魚などを混ぜ込むようにすると栄養価がUPします。

例)グラタン、シチュー、チーズトースト、卵うどんや卵かけごはん、混ぜ込みご飯、豆腐の味噌汁、かきたまスープ、挽肉あんかけ、プリン、茶碗蒸しなど

介護食の1日分の献立例

(朝食)
朝は誰にとっても時間が無い!そんな時に出来るだけ家族と同じものに栄養をプラスした手早く作れる朝食をご紹介します。

・フレンチトースト
★食べなれたものに栄養補助飲料をプラスすることで柔らかくて食べやすい上に栄養価もUPする1品です。

(材料)
食パン:1枚
栄養補助飲料(市販の200kcal程度のものでお好きな味):1本
栄養補助飲料の商品一覧はこちら
バター:5g
①食パンを栄養補助飲料に浸す(コーヒー、バナナ、いちごなど好きな味でOK)
②フライパンにバターを熱し、食パンを焼く

・スクランブルエッグ
★介護食じゃなくても食べなれているものに牛乳をプラスだけ!

(材料)
卵:1個
牛乳:大さじ1
塩こしょう:適量
バター:5g
①卵と牛乳を混ぜ合わせ、塩こしょうを入れる
②フライパンにバターを熱し、焼く。

・フルーツヨーグルト
★果物のビタミンとヨーグルトのカルシウムで栄養満点デザート
噛みにくさが気になる場合は果物を缶詰にしてくださいね。

(材料)
ヨーグルト:好きなだけ
果物:好きなだけ
①ヨーグルトと果物を混ぜ合わせる
(お好みではちみつやジャムを使用するとエネルギーUPです)

(昼食)
朝食を食べてからあまり時間が経たない昼食は食が進まない方も多いです。
つるっと食べられる麺類にしっかり栄養も摂れる工夫をプラス!
食欲が落ちる夏場にもおすすめなメニューです!

・ごま豆乳素麺
★そうめんのみですと糖質に栄養価が偏ってしまうので豆乳ベースのつゆにしてたんぱく質も同時に摂れるようにしました!

(材料)
そうめん:1束
練りごま:小さじ½
みりん:小さじ½
しょうゆ:小さじ½
豆乳:50cc
だし汁:50cc
①素麺以外の調味料は混ぜあわせておく
②素麺をお好みの固さに茹でて、つゆをかけて食べる

・トッピング用挽肉味噌
★トッピングでたんぱく質をプラスすることで味の変化を楽しめる上に栄養価もUP!

(材料)
鶏挽肉:40g
赤みそ:小さじ½
生姜(みじん切):小さじ½
塩:適量
油:適量
①フライパンに油を熱し、生姜を炒める
②挽肉を入れて、色が変わったら残りの調味料を入れ、塩で味を調える

・かぼちゃのチーズ焼き
★つぶしやすく、あらゆる食事形態に向いている南瓜を使用した栄養満点の副菜です。

(材料)
かぼちゃ:一口大に切ったものを5~8個
(固いものが食べにくい場合は皮をむいてください)
ナチュラルチーズ:適量
塩こしょう:適量
①南瓜は茹でるかレンジで加熱して柔らかくしておく
②耐熱容器に移して南瓜を並べ、塩こしょうをふり、チーズを乗せたらオーブントースターで焦げ目がつくまで焼く。

(夕食)
おかゆ食はエネルギーが少ない割に少量でお腹いっぱいになることも多いです。
混ぜ込めるおかずを一緒に取り入れて、量を増やさず栄養価がUP出来ると負担も少ないです。

・おかゆ
★レトルトでも良いですし、冷凍ご飯をお好きな分量の水で煮ることで手軽におかゆがつくれます。沢山作ったおかゆも冷凍保存できます。

・ほぐし鮭
★たんぱく質が多い魚は1日1回は摂りたいところ!
ほぐしてあげることでとても食べやすくなります。

(材料)
鮭:1切れ(皮を取り、骨を取り除いでおきます)
塩:適量
①鮭に塩を振り、焼く。
②お好みの大きさにほぐす。
(噛みにくさがある場合は刻んでフレーク状にしましょう)

・豆腐入り茶碗蒸し
★レンジで出来るお手軽茶碗蒸し。
具材に豆腐を入れることで食べやすい上に植物性たんぱく質も摂れます。

(材料)
卵:1個
だし汁:100cc
豆腐:器に入る程度
薄口しょうゆ:小さじ1/2
①卵、だし汁、薄口しょうゆを混ぜ合わせてこす。
②器に豆腐を入れて①を注ぐ。
③レンジで200w7分加熱する。
(仕上がりによって時間調整してください)

・おろし人参サラダ
★介護食となると固かったり、調理が面倒だったりと中々摂取できないのが野菜。
ビタミン、ミネラル不足防止にお手軽おろし器でサラダにしてみました。

(材料)
人参:1/2本
ドレッシング:小さじ1
①人参の皮をむいておろし器でおろす。
②お好みのドレッシングをかける。
(嚥下障害がある場合は酸味の強いドレッシングを使用するとむせ込みにつながり危険なのでマヨネーズや出汁割醤油などで代用しましょう)

・黒ゴマバナナプリン
★デザートはなめらかなプリンでしっかりカロリーを補います。

(材料)
黒すりごま:小さじ1
バナナ:3センチほど
牛乳:50cc
砂糖:大さじ1
ゼラチン:1g
①ゼラチン以外の材料をミキサーにかける。
②レンジで1-2分加熱し、ゼラチンを入れる。
③良く混ぜてゼラチンを溶かす。
④冷蔵庫で冷やし固める。

まとめ

今回は介護食の献立を立てる上でのポイントと管理栄養士が考えた献立をご紹介しました。
この献立では1日分でエネルギー1500kcal、たんぱく質70g、脂質50gと成人女性並みの栄養がものすごく少ない食事量で摂取することが出来ます。

量を増やさずに栄養価の高いものを混ぜ込んで調理していくことが少量で栄養価が高い食事のポイントとなります。

また、毎日このような献立を考えて食事を続けていくのは難しい!という場合には栄養補助食品をお食事にプラスしていただくだけで手軽に栄養強化ができますのでこちらもお試しください。

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