野菜・果物・芋|腎臓病のカリウム制限とうまくつきあうには

野菜・果物・芋|腎臓病のカリウム制限とうまくつきあうには
野菜・果物・芋|腎臓病のカリウム制限とうまくつきあうには

腎臓病の食事療法において、カリウムは「控えるべき栄養素」として紹介されているものの1つです。

ですが、どの程度までなら大丈夫なのか、そもそもカリウム制限は自分に必要なのかなど、不安に思う方がたくさんいらっしゃいます。

 

今回の記事では、カリウムの働きや摂取量の目安といった基本的なことから、ストレスなくカリウム制限を行うための具体的なコツまで、幅広く解説します。

 

カリウムに関する情報に絞っているので、カリウム値が高いと言われた方や、透析前・透析中の方は、特に目を通していただけると幸いです。

 

腎臓病の食事療法 カリウム制限について

 

最初に、体内でのカリウムの働きや、腎臓病食における適量の目安について解説します。

 

カリウムにはどんな働きがある?

 

カリウムは体内の細胞の中にたくさん存在し、ナトリウムと相互に作用しています。それによって細胞の浸透圧を維持したり、心臓機能や筋肉機能の調節をしたりと、様々な役割を数多く担っています。

 

なぜ腎臓病にはカリウム制限が必要?

 

腎機能が低下すると、体外へ排出されるカリウムの量が減り、体内に溜まってしまいます。カリウムは増えすぎると不整脈や心停止などの原因になるため、あらかじめ摂取する量を制限するのです。

 

腎臓病のカリウム制限 適量は?

 

カリウムの適量は、ステージによって異なります。

ステージ1~3aまでは特に制限がないので、過剰摂取にだけ気をつけましょう。

ステージ3bでは2000mg以下、ステージ4・5では1500mg以下の制限になることが一般的です。

 

腎臓病のカリウム制限とうまくつきあうには

 

腎臓病のカリウム制限は、調理前のちょっとした工夫でもできます。ここでは、暮らしの中で特に効果的な3つのコツについて解説します。

 

カリウムが多いのは野菜・果物・芋・豆

 

カリウムを多く含む食材は、主に野菜・果物・芋・豆です。ですが、これらの食材は健康のために必須のビタミンや食物繊維などもたくさん含んでいるため、適量は摂る必要があります。

 

そこで、食材からカリウムだけを上手にカットして使います。

カリウムは水に溶けやすいため、調理前に食材を茹でこぼしたり、水にさらしたりといったひと工夫でカットできるのです。

 

腎臓病のカリウム制限(1)茹でこぼしの注意点


茹でこぼしの時間の目安は、葉物が3~5分程度、根菜は10~15分程度です。

時間が長いほどカリウムは減りますが、食材がくたくたになるまで茹でる必要はありません。食材が美味しく食べられる時間で大丈夫です。

 

ですが、茹でこぼしによって減らせるカリウムの量は食材によって異なるので、注意して下さい。あまり減らない食材は、じゃがいも、にんじん、とうもろこし、かぼちゃ、なす、芋類、豆類などです。

これらは小さく切り、多めのお湯で茹でましょう。豆類の場合は、茹でこぼしを2回繰り返すことで減らせます。

 

茹でたお湯には大量のカリウムが溶け出しているので、再利用せずに捨てて下さい。

 

腎臓病のカリウム制限(2)野菜ジュースや牛乳は控えめに

 

ビタミンや食物繊維は、食事から1日の必要量を摂るのが難しいため、野菜ジュースや果物ジュースから摂っている人も多いのではないでしょうか。

 

これらのジュースは確かに便利ですが、カリウムを多く含んでいるので要注意です。特に100%ジュースに多いため、カリウムやたんぱく質を控えた腎臓病食用のジュースに切り替えるのもよいでしょう。

 

それ以外に、たんぱく質を多く含む牛乳はカリウムも豊富です。量を控えるか、もしくは低たんぱくの牛乳も取り入れてみて下さい。

 

腎臓病のカリウム制限(3)缶詰でも量に注意

 

生の果物は全体的にカリウムの量が高いため、果物を食べるときは缶詰がおすすめです。

ですが、注意してほしいのは、生の果物と缶詰では、実はカリウムの量が30%~200%ほどしか変わらない点です。

 

みかんの場合を比べてみましょう。

生のみかん100g(約2個)のカリウムの量は、約130mgです。缶詰の場合は20粒で100g、カリウムは約75mgです。

缶詰をうっかり少し食べ過ぎると、もう生の果物と変わらなくなってしまいます。

 

果物を缶詰で食べる場合にも、量にはきちんと気をつけるようにして下さい。

 

おかずや牛乳は低カリウム食品で!市販品のおすすめ3選

 

おかずや牛乳は、たんぱく質やカリウムなどの量を腎臓病食に合わせると、通常の商品をかなり減らすしかなく、満足しにくいため、腎臓病食用の市販品を利用するのがおすすめです。

低リン乳 125ml×24本

低リン乳は、リンやカリウムの摂取量が気になり、今まで牛乳をあまり飲めなかった方へ向けた美味しい乳飲料です。常温保存可能な125ml飲みきりサイズでご用意。
牛乳のおいしさはそのままに、普通の牛乳の約80%のカルシウムを保持しながら、リンを50%カット、カリウムを25%カットしてあります。

【購入者様の声】
低リン乳リピーターです。腎臓食の為、毎日1本飲むので毎月購入してます。
手のひらサイズで、味は普通の牛乳と変わらず美味しいです。お勧めです。

低リンミルクL.P.K. 20g×15本

低リンミルクL.P.K.

「低リンミルクL.P.K.」は、低リン食を指示されている慢性腎不全(CKD)の方のために開発された、リン低減ミルクです。

 

この食品は、1本20gの粉末を溶かして使います。

調乳液100g当たりのリンの量は、同じ量の牛乳の1/5です。カリウムや塩分も控えてあり、代わりにカルシウム・鉄・ビタミンを配合しています。カロリーも、牛乳の1.5倍である91.6kcalです。

その他にも、ビフィズス菌増殖因子であるラクチュロースを100mg含んでおり、様々な栄養素を同時に摂れます。

 

飲み物としてだけではなく、シチューやパンなどを調理する際には牛乳の代わりにご利用いただくこともできます。

【購入者様の声】
何度も購入し毎日飲んでいます。溶かすのにコツが要るけど、ストレートの味が好きです。容量の大きい包装タイプがあれば良いのにと思います。

スティックゼリーカロリータイプ マスカット風味 14.5g×20

「スティックゼリーカロリータイプ マスカット風味」は、1本たったの14.5gでカロリー80kcalを摂れる、スティックタイプの高カロリー商品です。ビタミンやミネラルも配合してありますが、たんぱく質は0gなので、腎臓病食の方でも安心して召し上がれます。

 

つるりとしたなめらかな食感で、飲み込みやすく、あまり食欲のない方にもおすすめです。

同シリーズには、他にもヨーグルト風味、コーヒー風味など様々な味があります。

 

まとめ:腎臓病のカリウム制限は上手な置きかえでストレスなく

 

カリウム制限は、一般的にステージ3bから始まります。腎臓病と診断されたらすぐにカリウムも厳しく制限しようとする方がいますが、主治医から特に指示がない場合は、過剰摂取にだけ気をつけるようにすれば大丈夫です。

 

カリウムは、野菜や芋類、豆類など、普段の食事に必要不可欠な食材に多く含まれています。そのため、「摂取しない」のではなく、茹でこぼしや水にさらすことで、カリウムだけを上手にカットして使いましょう。

 

野菜や果物のジュース、牛乳は、腎臓病食用の商品が数多く販売されています。低たんぱくでカリウム・リンを控えつつも、ビタミンや食物繊維、鉄や亜鉛などが摂れるものも多いので、ご自分やご家族の体調に合わせて取り入れ、ストレスのないカリウム制限を行っていきましょう。

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