“高齢者の口腔ケアに!簡単な口腔トレーニングと市販品の使い方”

“高齢者の口腔ケアに!簡単な口腔トレーニングと市販品の使い方”
“高齢者の口腔ケアに!簡単な口腔トレーニングと市販品の使い方”

近年、研究によって、お口の清潔を保つ「口腔ケア」や「口腔トレーニング」がお体全体の健康にとっても大切であることが明らかになってきました。

ですが、高齢の方の口腔ケアを行うにあたって、具体的に何を気をつける必要があるのか、いまいちわかりにくいものですよね。

 

今回の記事では、「高齢の方の口腔トレーニング」をテーマに解説します。

よくあるQ&Aのまとめや、簡単に続けるためのポイントなどについて紹介します。また、口腔トレーニングにおすすめの市販品も紹介しているので、ぜひ参考にして下さい。

 

ちなみに、お口の清潔を保つことを目的にした「口腔ケア」については、別記事で詳しく解説しています。ぜひ併せて目を通して下さいね。

 

 

 

高齢者の口腔トレーニング よくあるQ&A

 

安全で効果的な口腔トレーニングを行うために、まずは基礎知識をQ&A形式で押さえていきましょう。

 

高齢者の口腔トレーニングにはどんな効果がある?

 

口腔トレーニングを行うことで、舌やお口周りの筋肉がほぐれて上手に使えるようになり、食べ物を噛んだり飲み込んだりする動作がスムーズになります。

そのため、口腔トレーニングは特に食事前に行うとよいでしょう。

 

ですが、トレーニングはあくまでも長期的に行うことを前提にしています。すぐに効果が出なくても、焦らずにゆっくりと取り組んでゆきましょう。

 

口腔トレーニングはどのタイミングで行うの?

 

高齢の方の口腔トレーニングを行うタイミングとして、最も適しているのは「食事前」です。唾液腺のマッサージや嚥下体操などでお口や頬の筋肉を動かすと、食事を飲み込みやすくなります。

 

また、高齢者施設ではその時間にみなさんが食堂に集まるので、全員で座ったまま楽しんでできることもメリットです。

 

開始前に(1)病歴を確認しよう

 

高齢の方の口腔トレーニングを行う前には、過去の病歴を確認しておきましょう。特に首周りに症状がある方は、必ず主治医に相談して下さい。

 

開始前に(2)嚥下困難を疑う症状をチェックしよう

 

口腔トレーニングを行う前に、「嚥下困難」を疑う症状がないかを確認しておきましょう。もしも当てはまる症状がある場合、トレーニングはせず、主治医に相談して下さい。

 

【嚥下障害を疑う症状】

・唾液を飲み込めない。

・食事中にむせたり、咳が出たりする。

・食べ物を飲み込めない。飲み込んでも口腔内に残っている。

・食後に痰が出る。

 

高齢者の口腔トレーニング 簡単で続けやすいポイント解説!

高齢者の口腔トレーニング
それでは、実際に高齢の方の口腔トレーニングを行うポイントを紹介します。

どの運動についても、目標回数はあくまでも目安なので、ムリのない範囲で行いましょう。

 

(1)首・頬・舌のストレッチ

 

最初に、お口周りのストレッチから行います。食事前にこれらの筋肉を動かすことで、スムーズな咀嚼をしやすくなります。

 

【首のストレッチ】

ゆっくりと、上下左右に大きく首を動かします。左右5回×1セットが目標回数です。

ですが、首はトレーニングに注意が必要な部位なので、病歴をよく確認したうえで行うようにしましょう。

 

【頬のストレッチ】

口腔内に空気を溜めて頬を膨らませたり、ストローを吸うようにすぼめたりするストレッチです。食べこぼしのある方に、特におすすめです。

目標回数は5回です。

 

【舌のストレッチ】

お口を大きく開け、舌を出したり引っこめたりを繰り返します。左右にも動かしましょう。

食事の際に、口腔内に食べ物が残ってしまう方にぴったりのストレッチです。

目標回数は5回です。

 

(2)唾液腺のマッサージ

 

唾液腺(顎下腺)をマッサージすると、唾液が分泌されやすくなります。それによって食べ物を飲み込みやすくなります。

 

顎下にある骨の内側のやわらかい部分に親指を当てます。耳の下から顎の下までの5ヶ所ほどを優しく押してゆきましょう。

目標回数は、1ヶ所につき5回ほどです。

 

(3)表情筋のストレッチ

 

表情筋のストレッチによって頬周りを動かすと、食べ物をスムーズに噛めるようになります。

頬骨に手首を当てて、時計回りにマッサージしましょう。目標回数は、5回×2セットです。

 

(4)あいうえお体操とパタカラ体操

 

【あいうえお体操】

大きな声を出しても問題がない環境であれば、あいうえお体操がおすすめです。「あ・い・う・え・お」と発音しながら、大きくお口や顎、唇などを動かしましょう。

誤嚥予防だけではなく、表情筋トレーニングも期待できます。

 

【パタカラ体操】

パタカラ体操も、「パ・タ・カ・ラ」と発音することで舌や唇を大きく動かすので、嚥下機能や発声のトレーニングになります。

できるだけお腹の底から大きな声を出すと、さらに効果的です。目標回数は5回です。

 

(5)早口言葉おすすめ5選

 

早口言葉も、口腔トレーニングとしておすすめです。中には懐かしさを感じるものもあり、施設でもみなさんで楽しんで取り組んでいただけるので、好評です。

 

・生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)

・青巻き紙赤巻き紙黄巻き紙(あおまきがみあかまきがみきまきがみ)

・隣の客はよく柿食う客だ(となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ)

・坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた(ぼうすがびょうぶにじょうずにぼうずのえをかいた)

・蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ(かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ)

 

高齢者の口腔トレーニングや口腔ケアに!市販品のおすすめ3選

 

高齢の方の口腔トレーニングや口腔ケアの製品は、以前に比べてずいぶんとバリエーションが豊富になりました。

非常時に使いやすい商品もあるので、ぜひチェックしてみて下さいね。

 

吸引歯ブラシ キューテクト 口腔ケア

吸引歯ブラシ キューテクト 口腔ケア

「吸引歯ブラシ キューテクト 口腔ケア」は、ヘッドに唾液や汚れを吸い込む吸引口がついた歯ブラシです。

ブラッシングしながら口腔内の余計な水分を吸い取ってくれるため、誤嚥が不安な方や、寝たきりで歯磨きしにくい方などに、特におすすめです。

 

育児用品の企画・開発メーカーである(株)alwaysが、鹿児島大学(小児歯学部)と共同開発した商品です。

ヘッドのサイズにはSとLの2種類があるので、年齢を問わずにご利用いただけます。

【購入者様の声】
スッキリしたデザインで洗いやすく清潔に使えます。ヘッドが小さいので奥歯まで磨きやすく、歯磨きがとても楽になりました。これまで他店で送料を払って買っていましたが、ビースタイルさんで介護食と一緒に買うことができるなんて本当に助かります。ありがとうございます!

 

うがいキャッチ

うがいキャッチ

「うがいキャッチ」は、うがいや歯磨きなどの際に、うがいなどの口腔内の水分を受けるための容器です。軽くてソフトなポリプロピレンを使っているため、誰にでも簡単にお持ちいただけます。

また、3方向にゆるやかなカーブがついており、正面や側面だけではなく、寝た姿勢でもお使いいただける便利さも特長です。

【購入者様の声】
丁度良い曲がりで、体にフィットします。歯磨きやウガイしやすいです。

 

オーラルプラス口腔ケアウェッティー(マイルドタイプ)60枚入

オーラルプラス口腔ケアウェッティー(マイルドタイプ)60枚入

「オーラルプラス口腔ケアウェッティー」は、口腔内を拭き取ってケアできるウェットティシュです。むせたり誤嚥しやすい方やうがいしにくい方、口腔内が汚れやすく口臭が気になる方など、様々な方に使っていただけます。

ノンアルコールで無香料のため、低刺激です。また、ヒアルロン酸とトレハロースを配合してあるため、保湿のしやすさも魅力的です。

使う際には、ティッシュを1枚指に巻きつけ、歯や内頬、舌などを拭いて下さい。水のない非常用としてもおすすめです。

 

まとめ:高齢者の口腔トレーニングはムリなく取り組みやすいものから

 

高齢の方の口腔トレーニングは、段階によって5つほどに分かれています。マッサージのようにラクに取り組みやすいものから、実際にお口周りの筋肉を動かすストレッチまで、内容は様々です。

最初のうちはムリのないものからスタートし、大丈夫そうであれば少しずつ内容を変えてみましょう。ご本人が楽しみながら取り組めるものを選ぶことが、何よりも大切です。

 

また、最近は便利な口腔ケアやトレーニングの商品が増え、ご本人もご家族も口腔ケアがしやすくなりました。

口腔ケア製品は日本製が多いので、安全性が気になる方にもおすすめです。また、非常時に歯磨き代わりに適したものもあるので、ぜひ普段からご家族で使ってみて下さいね。

口腔ケアの商品一覧はこちら

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