とろみがあると飲み込みやすい!とろみ剤を使った介護食レシピ~とろみ剤の使い方も解説~

とろみがあると飲み込みやすい!とろみ剤を使った介護食レシピ~とろみ剤の使い方も解説~
とろみがあると飲み込みやすい!とろみ剤を使った介護食レシピ~とろみ剤の使い方も解説~

介護食の作り方について調べてみると「とろみをつける」という表記があるのを見かけると思います。

しかし、「とろみをつけると何が変わるの?」「どうやって介護食にとろみをつければいいの?」とさまざまな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今日は、介護食にとろみをつける意味と、とろみのつけかたやレシピについて解説します。介護食を手作りしたい方はぜひ参考にしてくださいね。

 

 

とろみにはどんな役割があるのか?

介護食に「とろみ」をつけることには、大きく分けて2つの役割があります。

1つは「食べ物を飲み込みやすくする」ことです。
介護食にとろみがついていると、口の中に含んだ食材がまとまりやすくなって、簡単に飲み込めるようになります。飲み込む力(嚥下能力)が低下してしまった方でも、料理にとろみがついていれば飲み込みやすくなるでしょう。

2つ目の役割は「食べ物や飲み物を喉へゆっくりと送る」ことです。
年齢を重ねることで飲み込む力が低下してしまうと、いわゆる「誤嚥」のリスクが高まります。最悪の場合は誤嚥性肺炎や窒息などにより亡くなってしまう可能性もあるのです。
料理にとろみがついていることで飲み込んだ食べ物がゆっくりと喉を通るようになり、誤って気管に入り込んでしまうリスクを抑えられます。

このように、介護食にとろみがついていることにはさまざまな意味・メリットがあります。
普段の料理や介護食が「食べにくくなった」「飲み込みにくくなった」と感じたご家族がいらっしゃるのであれば、料理にとろみをつけてみて、ご本人に飲み込みやすさについて感想を聞いてみてください。

とろみ剤はどんな人が利用するの?

介護食にとろみをつける方法は、大きく分けて「水溶き片栗粉」「とろみ剤」の2種類の方法があります。それでは、食べ物にとろみが必要なのはどのような方なのでしょうか?ここでは食べ物や飲み物にとろみが必要な方についてご説明します。

飲み込みにくさがある方

1つ目の特徴は「食事に際して飲み込みにくさを感じている方」です。
年齢を重ねるに従って、次第に飲み込む力が衰えてしまい、いわゆる「嚥下障害」という状態に苦しんでしまう方がおられます。
何らかの日常的な行動においてそれを阻害する不快な症状や痛みなどを伴うと、その行動を億劫に感じてしまうようになります。つまり、食事において飲み込みにくさを感じてしまうと、食事自体を嫌がるようになってしまう可能性があるのです。高齢者や要介護者は健康促進のためにきちんと食事をとって栄養を摂取しなければなりません。そのため、とろみ剤などで介護食にとろみをつけて飲み込みやすくして、食欲の減退を抑える必要があるのです。

口の中で食物をまとめにくい人

2つ目の特徴は「食事に際して口の中で食べたものをまとめにくい方」です。
私たちは食事に際して無意識に食べ物を口の中でまとめて飲み込んでいます。
しかし、年齢などの理由で口の中でまとめにくくなってしまっている方も多く、前述と同じ理由で食欲が減退する原因になりかねません。
介護食にとろみがついていると、口の中で食べ物をまとめやすくなり、食事に際してのハンデを解消することができます。
自然と食事スピードも早くなりますので、家族での食事で要介護者だけが食べるのが遅くなり、一人で食事をしなければならないというリスクも抑えられるでしょう。

高齢者(口腔内の水分が少なくなった方)

3つ目の特徴は「口のなかの水分量が減少してしまった高齢の方」です。
年齢を重ねるにつれて、次第に体内に水分を溜めこむ機能が減退してしまいます。そのため、口腔内の水分量が減少してしまい、食事に際して食べにくさを感じるなどのハンデを背負うことになるのです。
食事にとろみがついていると、口腔内の水分量が少なくても食べにくさを感じにくくなり、食事をしっかりと楽しむことができます。要介護者が食事に際して不快感など何らかの症状を訴えているのであれば、適量のとろみをつけてみて様子を確認してみてください。

とろみをつけるには?

一口に「食事にとろみをつける」といっても、具体的にどういった方法でとろみをつけることができるのか知らないと、介護食のとろみ対策を実現できません。
先ほども触れていますが、食事にとろみをつける簡単な方法としては、水溶き片栗粉で【あん】を作る方法と、市販の【とろみ剤】でとろみをつけるという2種類の方法があります。

片栗粉であんを作る

一般的な調理でも使用される「水溶き片栗粉」でも、介護食にとろみをつけることができます。
中華料理によく用いられている調理法の一種であり、片栗粉はほとんどの食品スーパーで販売されています。片栗粉と、溶くための水の分量を調整することで、水溶き片栗粉を混ぜた際のとろみの粘り気・とろみ具合を調整できます。
後述する「とろみ剤」と比較すると安価で購入できるので、介護食に利用するにはコスパが良いのですが、実は水溶き片栗粉には「唾液で分解される」という弱点があります。
お箸やスプーンなどの食器に付着した唾液が、水溶き片栗粉によって作られたとろみを徐々に分解してしまい、最終的には元の食感に戻ってしまいます。

とろみ剤を使用する(商品の紹介)

水溶き片栗粉の弱点である「唾液で分解される」というリスクを回避して食事にとろみをつける方法としておすすめなのが「とろみ剤」です。

ソフティアS とろみ食用 (innobox) 500g とろみ剤 ニュートリー

水溶き片栗粉のように唾液による分解の影響を受けず、さらに「ダマ」になりにくいので食事に混ぜやすくなっています。
また、水溶き片栗粉はとろみを付けるために加熱調理が必要ですが、とろみ剤は加熱の必要がありません。
水溶き片栗粉と同じように添加量を調整することでとろみ具合を調整できるため、要介護者に合わせて最適なとろみを付けることができます。

とろみの付け方

「味噌汁」「スープ」のように元々が飲み物に近い料理の場合であれば、そのままとろみ剤を添加することでとろみ付きの食事を用意できます。
では、固形物の食事の場合であればどうするのかといえば、一般的な方法は「あん」を作って食事に混ぜる方法がおすすめです。

とろみの強度

とろみ剤を利用して食事にとろみをつける場合は、「適切なとろみの強度(粘性)」を把握しておくことが重要です。
最適なとろみの強さは食べる方に合わせることが必要になります。
たとえば軽度のとろみは飲み込むのに力があまり必要ありませんが、一方で口の中で食べ物をまとめる能力はそこまで高くありません。
とろみを強くすると食べ物がまとまりやすくなりますが、飲み込む際にそれなりの力が必要になります。このように、食べる方の飲み込む力などを考慮して、最も食べやすくなるとろみの強度を調整します。
食べる方の状態が変化すれば、それに合わせてとろみの強度も変更する必要があります。

とろみがつきにくいものは?

とろみ剤は多くの食材と親和性が高いのですが、「牛乳」「オレンジジュース」「炭酸飲料」とは、あまり相性が良くないようです。
ただし、とろみがつかないというよりは「とろみがつくのに時間がかかる」というほうが正解に近いため、時間をかけて混ぜればとろみがつきます。

とろみ剤を使った介護食レシピ

最後に、とろみ剤を用いた介護食レシピのお手本を1つ紹介します。

中華風 水餃子スープ(材料:1人分)
・水餃子:2個
・青菜(お好みのものを):50g
・水:180ml
・鶏がらスープの素:2g
・おろしショウガ:少々
・とろみ剤:適量


(作り方)
①青菜を洗って食べやすい大きさに切る
②水・鶏がらスープの素・おろしショウガ・とろみ剤を混ぜて加熱する
③スープができたら水餃子・切った青菜を入れる
④器に盛り、お好みで白ごまをふって完成

まとめ

今回は、介護食にとろみをつけて食べやすくする方法について解説しました。
介護食にとろみをつけることは、飲み込む力が弱くなった方、誤嚥を起こす可能性がある方に有効です。
とろみ剤を使えば簡単にとろみがつけられますが、とろみの強度は食事をされる方に合わせて調整しなければメリットは薄れてしまいますので注意が必要です。

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